Ⓥヴィーガンになったらサプリメントが必須？

　ヴィーガンであることを打ち明けると、サプリメントを飲んでいるかをよく聞かれます。（日本ではその前にヴィーガンとは何かを説明する必要がありますが・・・。笑）　私の個人的な答えはNOです。サプリメントは一切取っていませんが、不調は全く感じでいません。私は医者でも栄養士でもないので、「それで問題ありません、皆さんもそうしてください」と断言することはできないのですが、先日読んだ本に興味深いことが書かれていたのでご紹介したいと思います！

＊どんな本？

　原題は「The China Study」で、邦題は「葬られた第二のマクガバン報告」です。日本語版のタイトルがなぜこんなに重たい感じになってしまったのか不思議なのですが（笑）、欧米のヴィーガンの間ではバイブルと言えるほど有名な著書です。バンクーバー中の図書館で常に貸出中でしたが、日本ではすぐに借りることが出来ました！

本の内容としては、ガンや糖尿病、心臓病などの豊かな国に多い病気と食生活の関係についてです。遺伝子的にほぼ同じ中国人の間でも地域によって各病気の患者数に大きな違いがあることに注目し、食生活との関係を研究したのが、原題にもなっている「The China Study」で、その研究の指揮を行ったのが著者のT・コリン・キャンベル博士です。

この研究以外にも、様々な研究について、読者が十分に納得出来るように結果だけではなく手法や数字も書かれていて、（私のような一般人には読みにくい部分もあるのですが、）ヴィーガンに興味のある方だけではなく、自分や家族の健康を気にしている方、ダイエットに興味のある方には一読をおすすめします。

また、この研究については「フォークス　オーバー　ナイブス　いのちを救う食卓革命」というドキュメンタリーでも紹介されています。このドキュメンタリーはNetflixでもみることができます。分厚い本は苦手、という方にはこちらをおすすめします。

＊サプリメントについて

　動物性食品の摂取は健康的ではないことは十分認識していたので、この著書において私にとって興味深かった部分は、「食品に含まれる栄養素は非常に複雑に影響しあっていて、単一の栄養素の働きを断定するのは難しい」ということです。また、私たちの体も非常に複雑かつ優れたシステムを持っており、ただ私たちが食事として摂取したものを吸収するだけではなく、不足している栄養素を作り出したり、排出によってほかの栄養素とのバランスを整えたりもしているのだそうです。

例えば、「リコピン」というトマトに多く含まれる栄養素が美容・健康に良いとよく耳にするようになりましたが、食事では到底摂取出来ないような量をサプリメントで摂取しても、他の栄養素とのバランスが悪いと、体内でうまく吸収・活用できなかったり、体の負担になってしまう可能性すらあるのです。リコピンの作用が魅力的だと思うのであれば、食物繊維や他の栄養素も同時に摂取すること、つまり「トマト自体」を食べるべきなのです。

＊植物性中心の食事から得られない栄養素

　ヴィーガンの人が摂取しづらいと言われている栄養素にビタミンDとビタミンB12があります。

ビタミンDについては、日光に当たることで体内で生成できるので、無理に食事から摂取する必要はありません。

一方、ビタミンB12 は微生物によって生成され、自然界の土や水に含まれているものですが、殺菌された水や綺麗に洗われた農作物のみをいただく現代の生活では、植物性の食品から摂取するのは難しいと言われています。（動物性食品に含まれるのは、家畜が土や水から摂取したもの。）　そのため、必要であればサプリメント等で補う必要があります。ただし、一日の必要量は2マイクログラム程と大変微量である上、体内に長年備蓄出来る栄養素であるため、厳格なヴィーガンになった人でも3～5年は欠乏症の心配をする必要はないそうです。

以上より、私は少なくてもあと数年はサプリメントを使用せず、バラエティ豊かなプラントベースド・ホールフード（植物性中心で精製・加工されていない食品）をいただく生活を続けていこうと思っています＾＾

少しでも参考になれば幸いです！今日もヘルシーでハッピーな一日を！