Ⓥ牛乳について知ってほしいこと
給食で必ず出てきた牛乳。私も小さいころから牛乳は健康に良いものだと信じていて、特に思春期には、背が高い女性に憧れて無理矢理たくさんの牛乳を飲んだり、肌が綺麗になると聞いたヨーグルトを必死に食べたりしていました。また、スポーツ少女だった私は、骨折しない為にも牛乳を飲まなければいけないと思っていました。今回は、そんな私がベジタリアンではなくビーガンになった理由について書きました!
1、倫理的問題
ベジタリアンとビーガンの大きな違いは乳製品をとるかとらないかだと思いますが、私がベジタリアン/ビーガンについて興味を持ち始めた時、「お肉の生産と違って、搾乳のために牛が殺されるわけでもないのに、なぜビーガンになる必要があるのだろう?」と思っていました。更には、「牛乳の生産」と聞くと、北海道の豊かな大地でのんびりと暮らす牛たちを想像してさえいました。しかし、ある事実を知って、ビーガンになる決意をしました。それは、「出産直後のお母さん牛しか牛乳を出さない」ということ。(よく考えれば当たり前のことなのに、それまで考えたこともなかった・・・。)この為、牝牛は人工的に繰り返し妊娠させられています。そして子牛は、生後間もなくお母さんから引き離され、オスであれば処分(食肉として育てられる場合を含む)、メスであればお母さん牛と同じ道を辿るか、オスと同じように処分されます。これを人間に置き換えて想像してみてください。私は女性として、これ程残酷なことはないと感じました。また、本来牛の寿命は25年程ですが、乳牛たちは4~5年で牛乳を出さなくなり、コストに見合わなくなるため、処分されます。
2、健康問題
そもそも、人間の体は幼児期を過ぎても乳を飲むようにデザインされていません。そのため、母乳に含まれる乳糖(ラクトース)を消化する機能は、幼児期を過ぎると低下します。特に日本人(アジア人)はこの機能の低下が著しく、乳糖の摂取によって腹痛やお腹の張り、下痢等を引き起こしやすいといわれています。更に言うと、牛乳は文字通り、牛の為の乳であり、子牛を成長させるためのホルモンがたっぷりと含まれています。体の大きさの違いを考えても、人間の体に適しているとは思えません。実際に、乳製品の摂取は生殖器系のがん(前立腺がん、子宮がん、乳がん等)にかかるリスクを上昇させるという研究結果もたくさん発表されています。
カルシウムについていえば、牛乳に含まれるカルシウムの量は野菜や豆類から簡単に摂取出来ます。また、乳製品の摂取量が多い欧米で骨粗鬆症患者が多いという報告がありますが、これは、動物性食品(肉や乳製品)の摂取はカルシウムの体外への排出を促すことが原因とされています。つまり、乳製品によるカルシウム摂取は吸収率が良くありません。また、現代のファクトリー化された畜産では、抗生物質やホルモン剤、低コストの遺伝子組み換え穀物(本来牛は穀物を食べないにもかかわらず)を与えて牛たちを育てていることも考慮する必要があります。
3、環境問題
「なぜヴィーガン?」の記事でも書いたのですが、牛に限らず家畜を育てるための土地や、家畜に与える穀物を育てるための土地は森林伐採によって作り出されています。さらに、家畜による糞尿(もちろん与えられた抗生物質等の化学物質が含まれます)は土壌汚染、水質汚染の原因になっていますし、牛のような反芻動物が放出するメタンガスは地球温暖化を促進していると言えます。食用の牛が1年半~3年で若いうちに処分されるのに対し、乳牛は処分されるまで4~5年あるので、この点については酪農の方が有害と言えるかもしれません。
4、経済的問題
農業や畜産は国からの補助金を得て成り立っていると言えます。しかし、国民が畜産物(肉、卵、牛乳)の消費を増やすことによって健康面でのリスクも引き上げるので、国の医療費負担を増やす結果になり得ます。それよりも野菜や果物などの健康に良い食材が手に取りやすい値段になったり(日本は特に果物の値段が高く、消費量が先進国でも最低レベルと言われています。)、環境問題の解決の為に国のお金が使われてほしい、と個人的に願っています。
以上、みなさんのライフスタイルの参考になれば幸いです!近々、植物性なのに乳製品のように楽しめるビーガンアイテムについての記事も書きたいと思います!