Ⓥ新しいレザーの時代！？

ファッション業界では、近年、動物愛護を理由に超有名セレブ達が次々に毛皮を着ないことを宣言していますね。また、グッチやアルマーニなどのハイブランドからH&MやZARA等のファストファッションブランドまで、多くのブランドがファーを使用しないことを宣言しています。日本でも、毛皮の商品化・着用に反対している人は多いのではないでしょうか？では、レザー（革製品）はどうでしょうか？なんとなく毛皮より動物感が薄れるせいか、毛皮程強い反発は見られないように思います。でも、レザーも動物の皮膚ですよね。今回はそのレザーについて書きたいと思います！

１、ファッションの為に殺される動物たち

　レザーの為だけ（毛皮を含まない）でも毎年何百万頭もの動物が殺されていると言われています。レザーに使われるのは牛の皮だけではありません。馬、羊、豚、ヤギ、ワニ、ダチョウ・・・革の主生産国の一つである中国では、生産が需要に追い付かず、犬や猫の皮を加工して牛皮などと偽っているそうです。例えイタリア製の「革製品」でも、皮自体は中国やインドで生産されている可能性が高いので、あなたも犬や猫の革を使ってしまっているかもしれません。（そもそも犬や猫だと可哀そうで、牛なら仕方ないという考え方もフェアじゃないと思っていますが・・・。）この動物たちからどのように革が生産される（＝動物が殺される）のかは残酷すぎて言及は避けますが、インターネット上でも見るに堪えない映像や情報がのっています。

皮は肉を生産する際の廃棄部分であったり、動物を処分する際の副産物だと信じている人も多いですが、決して全てがそうではありません。レザーにするために劣悪な環境で「生産」されている動物たちもたくさんいるのです。また、皮を売ることで成り立っている畜産農家もあり、レザーを買うことは畜産業を応援しているのと同じことだと言えます。

２、レザー加工段階における環境汚染と健康被害

　レザーに加工する（なめす）ためには、まず動物の皮から脂を取り除き、腐らないようにするためにいくつもの化学薬品（クロム、タンニン、アルデヒド等）を使用する必要があります。この加工工場で働く作業員は薬品による肌の病気や、この薬品が化学反応を起こして発生させる物質による目や肺、腎臓の病気、更にはがんのリスクと隣り合わせで働いています。この物質は風や雨で自然界に流れ出る他、この作業は汚水排出基準の緩い発展途上国で行われるので、動物の脂や化学薬品が処理されずに川や海に垂れ流しにされていることも多く、自然界の生態系への影響はもちろん近隣住民の健康被害も出ています。この環境への悪影響については日本語で皮革産業について調べていてもあまり言及されていないのですが、もっと注目されるべきだと思います。

また、これらの化学薬品は加工後の革製品に残ってる可能性もあるそうです。

そしていつも言っているように、動物を飼育するには、たくさんの水と土地を使用・汚染します。また、牛などの反芻動物によるメタンガスは二酸化炭素の20倍の温室効果があると言われています。

３、代替品に感謝！

現在は、革製品の「偽物」のような扱いで合皮やフェイクレザーの商品が売られていますが、これからは動物や環境のことを考えて、動物の革を身に着けない人がかっこいい時代になると思います！

更に、新しい素材もどんどん開発されていて、興味深いのはパイナップルの皮からつくられるフェイクレザー素材「Pinatex」やキノコからつくられる「muskin」です！また、カナダの人気ブランド「MATT&NAT」はペットボトルをリサイクルしてフェイクレザー素材を作っていて、年間300万本以上のペットボトルをリサイクルしているそうです。（ペットボトルの原料のプラスチックは生物分解されるまでに500年かかると言われている厄介な素材です。）素敵ですね！セレブ御用達ブランドの「Stella McCartney」もビーガンブランドとして有名です。（ビーガンとして有名な元ビートルズのポール・マッカートニーの娘さんのブランドなので納得ですね。）ブーツで有名なDr. Martens（ドクター・マーチン）もビーガンラインがありますね。

確かに、革製品は見た目が良いですし、比較的長く使えて、しかも長く使うとその人に馴染んでくるとも言われ、愛着がわきやすいですよね。しかし、上記の悪影響を知ってもその革製品が必要ですか？今、既に持っていて、大切にしているものであれば捨てる必要はないと（私は）思います。なぜならもう製品になってしまっているものだからです。大切に使いましょう。また、どうしても本革でなければいけないのであれば、古着屋さんで手に入れるのも有りかもしれません。

以上、参考になれば幸いです！今日も皆さんがヘルシーでハッピーに過ごせますように！＾＾